人気ブログランキング | 話題のタグを見る

サンダル履きの兵士の正体

フォーサイト11月号21-22ページ
”ミャンマー「僧侶が率いたデモ」の真相”(竹田いさみ)
から適当に抜粋しちゃいました。

軍のトラックにすし詰め状態の兵士たちを望遠レンズで撮影した写真を注意深く観察すると、
兵士の持つ兵器がミャンマー軍の標準装備ではないもの
(少数民族と戦闘した際の戦利品か、タイ陸軍から横流しで入手したものに相違ない米国製M-16 らしき小型小銃とか、山岳地帯や丘陵地で行動する際必需品の小型の斧)
を身に着けている。

という写真から読み解いていくくだりにちょっとゾクゾクしました!



****************************************** 以下抜粋
今回のデモに参加した僧侶の大半は、実は”プロ”の僧侶ではなく、アマチュアで研修中の僧侶であり、
僧衣を脱げば高校生や大学生という十代、二十代の青年たちであった。
なかには高校や大学を卒業しても就職先がなく、「メシを食う」ために僧侶になった者たちも多数含まれる。
つまり、僧侶デモ隊の実体は学生と失業者だと看做すことができるのだ。

今回、ミャンマー軍が襲撃した僧院は、学生運動の活動家達が「隠れ家」にしていたような場所だったと考えられる。
僧侶と僧院という「聖域」を襲撃した背景には、デモ隊の中身が正真正銘の僧侶ではなく、
あくまで学生らが僧衣をまとっているに過ぎないという、軍政の判断が働いたはずだ。
 
(中略)

 今回、デモを組織した中堅幹部の僧侶グループは、一九八八年の民主化運動の時の高校・大学生で、
反政府運動などで拘束された、あるいは大学を卒業しても就職できなかったなど、不遇の青春時代を送ってきた元学生活動家たちだ。組織力のある実働部隊なくして大規模デモを実行するのは不可能に近い。
彼らがいたからこそ、若年層の僧侶や市民を巻き込み、十万人規模のデモを整然と組織することができたのだ。
軍政はこの組織力に驚愕し、全国的な反政府運動が展開され政権が転覆する危険を感じたのだろう。
デモ鎮圧に躍起になった所以である。

(中略)

日本人のフリージャーナリスト長井健司さんを、至近距離の背後から銃で撃ったとみられるのは、サンダル履きの兵士であった。
ヤンゴンの目抜き通りで起きたこの銃撃事件は、新聞やテレビで繰り返し報道されたが、兵士の履き物にまで言及した報道は皆無ではなかったか。兵士が靴ではなくサンダルを履いていたという事実が、今後の情勢を分析する上で重要な鍵となる。
 
 この兵士は、ヤンゴンを警備する”サラリーマン型”の都市治安部隊ではなく、おそらく、軍政と戦うカレン族などの少数民族ゲリラを、武力で制圧してきた特殊部隊に所属すると考えられる。タイとの国境の山岳地帯ではいまでも軍政と少数民族とが銃で交戦しており、特殊部隊の焼き討ちで家を失った少数民族も数多い。山岳地帯で作戦行動に従事する軍特殊部隊の兵士はサンダルを好む。舗装道路を行進するのなら革製で重量感のある軍靴が便利だろうが、草木が生い茂り、舗装した道路もない山岳地帯には適さない。もちろん、軍靴を履く特殊部隊の兵士も大勢いるが、彼らにとって最も使い勝手のよい履き物がサンダルなのだ。

(中略)

僧侶デモを鎮圧できなかった治安部隊を”再教育”するために遠隔地へ配置転換し、逆に特殊部隊をヤンゴンに置くなど、軍政が都市部での取締りを強化するのも必至だ。
**********************************抜粋終わり
最初テレビでこの事件の映像を見たとき、
何度も放映されるにあたって、
ミャンマーの国がどうのということより、
「日本人にこの画像を繰り返し見せる理由は何で、
そしてその効果は思惑通りにあがってきているのか」
みたいなことをふやーっと思った記憶があります。

実のところ日本人に「見せない(知らせない)」意図のほうが
マスメディアの価値なのかも(あぁ言葉ヘン)

by fanson2004 | 2007-10-27 22:29 | 読み飛ばし推奨

<< 《《 Re-life 》》第9... あまりにも 未読文書が 多過ぎ... >>